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平成11年12月15日小田原簡裁判決
平成一一年(ハ)二九九号敷金返還請求事件
判決
当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり
主文
一 被告は原告に対し、金八四四五〇円および内金八三七五〇円に対する平成一一年五月一日から
支払い済まで年五パーセントの割合による金員を支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用は、これを一〇分し、その一を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。
四 この判決は、一項に限り仮に執行することが出来る。
事実および理由
第一 請求
被告は原告に対し、金一一〇七二三円および内金一一〇〇〇〇円に対する平成一一年四月三〇日から
支払い済まで年五パーセントの割合による金員を支払え。
第二 事案の概要
一 請求原因
1 原告は被告と、神奈川県XXXX郡H町XXXのハイツXXの一室について、平成九年三月二五日
賃貸借契約をし、その際被告に敷金二七五〇〇〇円を差し入れた。
2 原告は、被告に平成一一年四月三〇日に右一室を明渡した。
3 被告は原告に、平成一一年五月三一日に前記敷金中一六五〇〇〇円を支払ったのみであるから、
原告は被告に対し、残金一一〇〇〇〇円およびこれに対する部屋明渡日である同年四月三〇日から
支払い済まで年五パーセントの割合による遅延損害金と返戻金一六五〇〇〇円に対する部屋明渡日から
支払日まで年五パーセントの割合による遅延損害金七二三円の支払いを求める。
二 抗弁
1 本件賃貸借契約では、借主は解約の際専門業者によるハウスクリーニングをするとの約束があった。
2 被告は、原告が依頼した業者に右クリーニング代金二六二五〇円を原告に代わり支払った。
三 争いの無い事実
原告主張の契約、敷金差し入れ、部屋明渡し、被告主張のクリーニング代金支払いについては、
争いはない。
四 争点
解約明渡時に、借主が専門業者によるハウスクリーニングをするとの約束があったどうか。
第三 争点に対する判断
1 証拠(証人O川I太郎、乙一号証契約書)によると、本件賃貸借契約当時、証人O川が
契約書記載条項を全部原告に読み聞かせ、ハウスクリーニングの件について原告が同人に
質問したこと(原告本人も同様供述している。)、証人O川が希には部屋がきれいなため
ハウスクリーニングをしない借主もあったからきれいに使えと言ったことが認められる。
2 証拠(原告本人)によると、原告が専門ハウスクリーニング業者を呼び、被告立会の下に
部屋を点検見積もりを依頼して、費用は消費税は別で金二五〇〇〇円だったので、
この業者にクリーニングを依頼したこと(原告本人は自分がクリーニング業者を呼び、
被告立会の下にハウスクリーニングの見積もりを依頼し、本件建物の前に駐車してあった
被告の自動車の周辺に、原告・被告・業者がいた時に、業者が消費税は別で二五〇〇〇円だと
言った所、被告がそれでやってくれと言ったが、自分は何も異議をいわなかったと述べている。)
が認められる。
3 そうすると、原告は部屋明渡しの際に、専門業者にハウスクリーニングをさせる義務を了承して
契約したものと言わなければならない。
4 なお、遅滞損害金の決済日は明渡日の翌日からであるから、これを当日とした原告の請求は
それぞれ一日分失当である。
第四 結論
以上の次第で、原告の被告に対する請求は敷金残一一〇〇〇〇円からハウスクリーニング代金
二六二五〇円を差し引いた八三七五〇円およびこれに対する明渡日の翌日である平成一一年
五月一日から支払済みまで民事法定利率年五パーセントの割合による遅滞損害金と、敷金返戻分
一六五〇〇〇円に対する明渡日の翌日である平成一一年五月一日から返戻日まで
民事法定利率年五パーセントの割合による遅延損害金七〇〇円の支払いを求める限度で、
理由があるから認容し、右金額を超える請求は理由が無いからこれを棄却し、主文の通り判決する。
(最終弁論の日) 平成一一年一一月二四日
小田原簡易裁判所
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