平成19年(ワ)第1793号 更新料返還等請求事件 第1回法廷   原告意見陳述書要旨

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※更新料問題を考える会ブログより
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平成19年(ワ)第1793号 更新料返還等請求事件 平成19年8月7日 第1回法廷

原告=借主側(野々山宏弁護士陳述)

●1.
居住用賃貸マンション等の賃貸借契約において、原状回復特約や敷引特約による敷金不返還問題が社会的に問題になるなど、賃貸借契約書の中に数多くの賃借人にとって不利益な条項が存在することが問題になっており、これら賃貸借契約における不当条項を巡っては、消費者契約法施行前においては、判例などで賃借人の保護を図るための様々な制限的な解釈等による救済の努力がなされてきた。

●2.
最高裁平成17年12月16日判決の事例は、消費者契約法の適用のない賃貸借契約における原状回復特約の効力が問題となった事案であるが、判決で、通常損耗についても賃借人の負担によって原状回復すべき旨を定めた特約の成立に極めて厳格な要件を課し、事実上このような特約の成立を否定した。

●3.
消費者契約法施行以降は、原状回復特約や敷引特約が賃借人の利益を一方的に害する不当条項であるとして、消費者契約法10条に違反して無効であるとする判決が続々と出されるに至っている。

●4.
本件訴訟は、更新料条項が消費者契約法10条で無効であるとして、更新料の返還を求めて全国で初めて提起されたものとして、新聞報道でおおきく取り上げられるなど社会的にも注目を集めており、今後の居住用賃貸マンション等の賃貸借契約における契約条項の適正化を図っていく上で極めて重要な意味を持つ訴訟である。したがって、本件訴訟においては、これまで上記判例などによって積み重ねられてきた消費者保護の理念や消費者契約法の趣旨を十分に踏まえた審理、判断がなされる必要がある。

●5.
消費者契約法10条は、消費者契約においては、たとえ契約当事者が合意したものであっても、消費者の利益を一方的に害する条項については、これを無効とすることによって、消費者を保護する趣旨に出たものである。

●6.
更新料の授受は、過去、まだ比較的長期間の一軒家の賃貸借契約が多く見られた時代において、高騰する地価に対応する賃料の補充ないし権利金の補充等の意味を持つものとして始められたと言われている。しかしながら、近時の賃貸借契約を取り巻く状況は、広く居住用賃貸マンションやアパートが普及し、賃貸借期間も比較的短期間に設定され、また必ずしも地価が右肩上がりに上昇するといった経済状況にはないといったように、従前更新料の授受が始められた頃に比べ、その社会状況は大きく変化している。

●7.
したがって、本件では、消費者契約法施行後のそのような社会状況の変化を踏まえ、居住用賃貸マンション等の賃貸借契約において、はたして更新料支払条項に合理性があるか否か、すなわち賃借人が更新料支払の対価として、それに見合う何らかの実質的な利益を受けているか否か、ということが厳格に問われなければならない。

●8.
特に、更新料については、一般に雑誌やインターネットなどの不動産広告における賃貸条件の表示対象とされておらず、契約申込みの段階になって不意打ち的に契約条項に盛り込まれるという実態があると考えられることや、本件事案のように1年間で2か月分以上といった暴利的ともいえる不当に高額な更新料が設定されている事例も見受けられるなど、その弊害は決して少なくない。

●9.
原告としては、本件訴訟において、現在の居住用賃貸マンションにおいては、賃借人にとって更新料支払条項を設けることに何らの合理性はなく、更新料支払条項は賃借人の利益を一方的に害する条項として、消費者契約法により無効であることを明らかにする。

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このページは、が2009年9月 7日 23:45に書いたブログ記事です。

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