居住福祉

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居住福祉 (岩波新書)
居住福祉 (岩波新書)早川 和男

岩波書店 1997-10
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こないだからの流れで、古本屋で見つけて購入。
一気読みした。


阪神淡路大震災時の住居や、老人ホームなどの例を引きながら「住まいあっての暮らしと人生」と住居の大切さを訴える本。


住居を提供する側の人間としては、語られることに「いちいちもっとも」とうなづきながらも、「じゃぁどないせいっちゅうねん!」と叫びたくなることもある。


しかし著者のいう「弱者対策」政策の矛盾は全くそのとおりと思う。
曰く、
「第一は心身機能や社会的ハンディキャップのある人びとの居住地を特化させ、新しい差別を作る」
「第二の問題は、一般の住居水準を劣悪なままにしておいて、老人ホームその他の福祉施設の質的水準の大幅な向上は望みがたいことである」


私はこの第一の観点から高専賃が嫌いだ。
実際、高専賃は老人ホームの代替として、玉石混淆で広まりつつある。しかし、そのある意味うさんくさい高専賃がきちんきちんと部屋を埋めてゆくのも事実で、その後ろにある「第二の問題」——著者の表現によると「ホームの方がいま住んでいる家よりまし、という貧しい住宅事情の人たちがたくさんいる」に思い至らなかったことを恥じる。


著者の「住宅改善チーム構想」に、「住居の改善を推進するには多くの職種の協力が必要、として、いくつかの職種が上がっている。
「ホームヘルパー」「保健婦」「開業医」「理学療法士・作業療法士」「ケースワーカー」「看護婦・訪問看護婦」「民生委員」「大工・職人・工務店・建築家」「介護用品・福祉機器メーカー」「不動産仲介業者」
1997年の本なのであがっていないが、いまではここに当然「ケアマネージャー」も入るであろう。


そいて何よりも残念なのは「家主・管理会社」が入っていないことだ。ぜひここはこの横の連携にいれてもらいたい。
だってわれわれはいい住居を提供することが商売なのだし、われわれにとって、よい住居・コミュニティがあることは大きな価値なのだ。
われわれ家主が一番恐れるのは、物件内での事故であり、なんとかしてそれを防止したいと思っている。
だから事故の可能性の高そうな人は入居を断ったり、引っ越しを勧めたりするのだが、本当は家主だって機嫌良く住んでいてほしいのだ。
事故防止のためなら、喜んで他のいろんな職種の方と連携を取り、できる手段はとりたいと思う。


それにしてもこういうときに「個人情報保護」って扱いづらいなぁ。。。。。

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コメント(2)

件の本を読んでいないので、的外れでしたらご容赦を。特定の人への福祉や配慮が逆差別になる事例は良く見ますし、大きな無駄を生む事例もありますね。仰るような、座って住む住宅ならば、バリアフリーに大金を投じる必要もありませんし、専用の低いトイレを開発すれば足りてしまうかもしれません。中世の絵巻を見ると、結構 老人などが、そのような暮らしをしていると思わせる絵がありますし、源氏では”老いかがまりて、室の外にもまかでず”(若紫)とありますが、部屋の中では問題なく暮らしていたとも考えられますね。私が高専賃で心配なのは、国交省管轄であって、厚労省は無関係な点です。あくまで賃貸の一形態であって、結局は老人福祉とは縦割り行政の壁の向こうにある点です。

そうですね。私はけっこう、祖父の完全床座生活気に入ってるんです。いっそ高床式にすれば、玄関での車いす移乗もできそうな気がしますし。ただ、また別のエントリーで書こうと思っていますが、介助する側になるとやはりイス座が便利に思います。>特定の人への福祉や配慮が逆差別になる事例は良く見ますし、大きな無駄を生む>高専賃で心配なのは、国交省管轄であって、厚労省は無関係な点です。あくまで賃貸の一形態であって、結局は老人福祉とは縦割り行政の壁の向こうにある点です。まったく同感です。国交省に限らず地方自治体でもそうですが、住宅関係は建築関係の部署の管轄で、やれ段差をなくせだとか、管理人室を作れだとかのハード面ばかり、それも新築時のチェックを通ってしまえばあとは事実上フリーパスなのですね。しかし高齢者にしても低所得者にしても、生活の充実に重要なのはむしろ人的サービスやコミュニティなどの横のつながりといったソフト面で、ハード面はそれを助ける役目なのでは、と思うのです。器を整えれば、おのずと形が整うといった側面は確かにありますが、中身が空だとそれ以前の問題で、今の縦割り状態は器は器、中身は中身でバラバラ。「器に中身を入れる」部分が抜けてるように思います。

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このブログ記事について

このページは、が2009年3月30日 22:45に書いたブログ記事です。

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