2009年3月アーカイブ

居住福祉 (岩波新書)
居住福祉 (岩波新書)早川 和男

岩波書店 1997-10
売り上げランキング : 152543

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
居住福祉資源発見の旅—新しい福祉空間、懐かしい癒しの場 (日本居住福祉学会居住福祉ブックレット) 居住福祉学と人間—「いのちと住まい」の学問ばなし 人は住むためにいかに闘ってきたか—欧米住宅物語 バリアフリーをつくる (岩波新書) 精神科医がめざす近隣力再建—進む「子育て」砂漠化、はびこる「付き合い拒否」症候群 (居住福祉ブックレット)



こないだからの流れで、古本屋で見つけて購入。
一気読みした。


阪神淡路大震災時の住居や、老人ホームなどの例を引きながら「住まいあっての暮らしと人生」と住居の大切さを訴える本。


住居を提供する側の人間としては、語られることに「いちいちもっとも」とうなづきながらも、「じゃぁどないせいっちゅうねん!」と叫びたくなることもある。


しかし著者のいう「弱者対策」政策の矛盾は全くそのとおりと思う。
曰く、
「第一は心身機能や社会的ハンディキャップのある人びとの居住地を特化させ、新しい差別を作る」
「第二の問題は、一般の住居水準を劣悪なままにしておいて、老人ホームその他の福祉施設の質的水準の大幅な向上は望みがたいことである」


私はこの第一の観点から高専賃が嫌いだ。
実際、高専賃は老人ホームの代替として、玉石混淆で広まりつつある。しかし、そのある意味うさんくさい高専賃がきちんきちんと部屋を埋めてゆくのも事実で、その後ろにある「第二の問題」——著者の表現によると「ホームの方がいま住んでいる家よりまし、という貧しい住宅事情の人たちがたくさんいる」に思い至らなかったことを恥じる。


著者の「住宅改善チーム構想」に、「住居の改善を推進するには多くの職種の協力が必要、として、いくつかの職種が上がっている。
「ホームヘルパー」「保健婦」「開業医」「理学療法士・作業療法士」「ケースワーカー」「看護婦・訪問看護婦」「民生委員」「大工・職人・工務店・建築家」「介護用品・福祉機器メーカー」「不動産仲介業者」
1997年の本なのであがっていないが、いまではここに当然「ケアマネージャー」も入るであろう。


そいて何よりも残念なのは「家主・管理会社」が入っていないことだ。ぜひここはこの横の連携にいれてもらいたい。
だってわれわれはいい住居を提供することが商売なのだし、われわれにとって、よい住居・コミュニティがあることは大きな価値なのだ。
われわれ家主が一番恐れるのは、物件内での事故であり、なんとかしてそれを防止したいと思っている。
だから事故の可能性の高そうな人は入居を断ったり、引っ越しを勧めたりするのだが、本当は家主だって機嫌良く住んでいてほしいのだ。
事故防止のためなら、喜んで他のいろんな職種の方と連携を取り、できる手段はとりたいと思う。


それにしてもこういうときに「個人情報保護」って扱いづらいなぁ。。。。。
寝る場所でいいますと、イス座に相当するのがベッド、床座に相当するのが布団、ということになります。

車椅子を使う場合は当然ベッドの方が遥かに移乗がしやすく、ポータブルトイレの使用も右に同じ。
床座だろうが、イス座だろうが、「高さを合わせる」のがポイントですから、じぃさまのように
「車椅子は自分で動かせないから嫌。這ったら家の中ならどこでもいける。」
という性格(苦笑)の人は布団の方がよかったわけですね。

さて、うちのひぃばぁさま。
一週間ほど前からゼェーゼェーと変な呼吸をしている。
しんどそうやし、うとうとしてはるから、ベッドに寝かすわけですが、どうも、寝てるときの方が呼吸が変です。
でも熱もないし咳もくしゃみもしてないし、食欲はいつものごとくありまくりやし。
で、様子を見ているうちに、なんだか少しずつゼェーゼェーひどくなってくし。。。。
寝てるときの方がしんどそうなので、それをポイントにネットでしらべるとどうも「起座呼吸」というのがアヤシイ。
と、いうわけで医者にかかりますと、やっぱり心臓とのことで、利尿剤等が出されたのですが、寝るときの姿勢についてアドバイス。

「ベッドの背中起こして、半座位で寝てもらいなさい。床ずれにきをつけてね」

だそうです。
夜の受診だったので、薬は明日朝からにして、さっそく言われた姿勢で寝かせてみると。。。。

それだけで顔色が違う!

うちのひぃばぁさまは、介護保険のレンタルベッドを使っているので、電動でギャッチアップができます。
これはベッドのありがたさ。
床座の、たとえば布団に敷くマットでこういう商品はあまり見たことがない。
しいていえば座椅子が該当するのでしょうが。。。。



そしてもうひとつ、ひぃばぁさまと、前の記事のじぃさまとの違い。
それは介助・介護の必要な度合いが全然違うのです。
本人の自立度が高ければ、床座だろうがイス座だろうが、じぃさまがそうであったように、本人が楽に動けて機嫌よく過ごせるものを選べばいいわけです。
新しいものは便利なのかもしれないけど、使い方覚えるのが難儀やから、従前どおりのほうが気楽でいいわ、というのはよくあることですから、新しい便利さにこだわることもない。


しかし要介護度が高くなるほど、「本人の気楽さ」よりも「介護のしやすさ」が床座やイス座の選択、ひいてはバリアフリーのリフォームを計画する上で優先されます。
「自分のために」老後のバリアフリーリフォームを計画するときには、物理的に「介護者の立場に立つ」ことは意外と重要な気がします。

イス座・床座のお話は、本人にとっては嗜好の余地がありますが、介護者にとってはイス座のほうが便利で楽なのです。
年を取ると床座よりもイス座がよいとよく言われます。
その方が足腰にかかる負担が少ないからですね。


もっとも、これは「活動は通常、立って行うものだ」という社会全体の暗黙の前提によるもので、
この前提はヒトは直立二足歩行をする動物であることから当然でもあるのですが、
足腰が弱って歩けなくなったときに車椅子、というのもそこからきているわけです。


この前提から離れると実はけっこう便利なところもありまして。
なくなった主人の祖父は、足が不自由になったあと、家の中では這ってくらしていたそうです。
本人曰わく、
「その方が便利」
だったそうで。
片マヒがあればそういうわけにもいかないのでしょうが、両手がしっかり使えたので、車椅子ではクリアできない段差も這っていって楽々通過。
移動先でよっこらしょ、と座っていろんな用事をしたそうで。
トイレだけはなかなかそうもいかず、オムツと尿器だったそうですが、これもいっそもっとクラシックに、床板に穴が空いてるようなトイレならば、きっと自分で用が足せたであろうと想像します。
ある意味究極の床座生活です。

じゃ、床座でも困らないかというと、やはりイス座のほうがやりやすいのですが。
↑ なにが、というところで今日は眠たいのでまた明日。

塗り替えの打ち合わせをしながら、

「そういえば最近、自転車置き場や階段室のひさしにのぼって遊ぶ子見なくなったね」

と、ダンナとおしゃべりしてました。

主にうちの物件に住んでる子&友達がいるいないに関係なく敷地に遊びに来る子。
見つけるたんびに叱りつけていたのですが。

「大きくなったからかなぁ」

屋根に登るのは小学生のうちで、中学生になっても屋根を走る子というのはそうそういてません。

「それだけ入れ替わりないんやねぇ」

と、呟いておりました。

帰宅後、住人の方から電話があり、

「子どもがよく屋根にのぼってるから、足場組むなら気をつけてね」

と。

……ちゃんと伝統の遊びは引き継がれているようです^^;

でも真剣に危ないので、集合住宅の屋根で遊ばないでね!!!
前のエントリで生活保護者向けの住居の話を書いたら、今日の朝日新聞のトップはそういったタイプの老人施設の火災ニュースでした。

恥ずかしながら、前のエントリでは高齢者は考えに入れてませんでした。
自分の視野の狭さに恥じ入るばかりです。

一般賃貸の場合、「生活の自立」は条件になってしまうわけですが、もう一度いろいろ考えてみたいと思います。

賃貸住宅において「住む」ことの対価は、と問えば、「家賃」というのが通常の答えであろう。
実際、敷金問題から始まった、賃貸業界における消費者保護運動は、更新料や礼金を撤廃要求の対象とし、最終的には支払名目を賃料に一本化することを目指しているように思う。
礼金は賃借権という権利に対する権利金だ、と言われることもあるが、賃料さえ払えば賃借権は認められるので、イマイチ歯切れが悪い。
「賃料への一本化」
は初期費用を強く抑える傾向にある昨今の賃貸情勢では、消費者保護運動の大義名分とは全く別に市場のneedsとして現実化しようとしている。
そして賃料の下落も著しい。


さて、お金を払って寝泊りする部屋を借りる事業には主に2種類ある。(ほかにも社会福祉事業や会員制宿泊施設などもあるが煩雑になるので触れない)
いうまでもなく、一つは賃貸住宅、そしてもう一つは旅館である。
まったく違う業態のように思われるかもしれないが、たとえばマンスリーマンションには、賃貸住宅系のものとビジネスホテル系のものの2種類があり、それを規制する法律も異なる。
ビジネスホテル系のマンスリーマンションは旅館業法に基づいた営業で、契約に相当するものは宿泊約款である。契約書を作る必要も重要事項説明をする必要もなく、宿帳に住所氏名を書いてもらうだけでよい。そして正当な理由がなければ宿泊を拒否できない。
賃貸住宅系のマンスリーマンションは借地借家法に基づいて定期借家契約を締結するのが一般的なやり方。契約書や定期借家契約に定められた文書を作る必要があり、仲介業者がある場合は、重要事項説明も要る。そして特に理由なく契約を断っても構わない(それで商売がなりたつかどうかは別の問題)


そもそも「宿泊」と「居住」というのは違うはずなのだが、マンスリーマンションのようにどちらかわかりにくいものがあるのも事実なのである。
ほかにも、簡易宿所(旅館業の施設)は「生活の根拠地」として住民登録して生活保護を受けることもできるし、生活保護を受けなくてもそういう生活の根拠にしている人はけっこういたりする。
じゃあ、借地借家法の施設であれば「居住」なのか、というと、たとえ定期借家契約でも短期の滞在ではそうはいえまい。と、いうことで税務上は1ヶ月未満の入居は「生活の根拠地」とは見なさず、賃料に消費税が課税される。簡易宿所の宿泊料は当然「賃料」ではないので消費税の課税対象だ。


生活保護受給に関する運用や、税務署の課税に関する基準は、施設が基づく法律ではなく実態に即して定められたものゆえに曖昧になるのである。
もちろんこれらは実態に応じて運用されることが望ましいのはいうまでもない。

「実態に即して」と書いたが、「そこに住んでいる」という実態は同じでも、実は居住者の持つ権利は、借地借家法であるか否かで天と地の違いがあるのだ。
借地借家法では、契約違反があっても入居者を強制的に退去させることは、裁判手続きなしでは不可能である(違法覚悟でするところがないわけではないが)。賃借人の居住権はそれほどにまで保護されている。

それに対して、旅館業等では、このような借主の保護はない。宿泊料の未納者を問題なく追い出すことができる。これは違法行為ではない。施設管理者が部屋に立ち入ることも自由にできる。
そして「宿泊料」は一般的に「賃料」よりも高い。ただし入居時の一時金はいらないし、契約するのに保証人も普通はいらない。


マンスリーマンションやゼロゼロ物件の登場は、支払形態の上で「借家」が「旅館」に近づいて行っているのである。賃料のみの契約が普及してゆくと、さらに境界はわかりにくくなってゆくだろう。
問題が起こったときにモノを言う貸主借主の権利の強さは、契約が順調な時には意識されず、支払金額が意識されるのみであることもわかりにくさを助長させる。


こうしてみると、借主が借地借家法における借主としての権利を持つことの対価として、貸主が信用の担保を求める権利、権利金(あえてこう呼ぶ)を請求する権利を持つことは、決しておかしなことではないと思う。
権利を行使するかどうかは、また個別の契約において考えることである。

読んだイキオイだけで前のエントリーを書いたけれども、いろいろと後から発見があったのでとりあえずメモ。

東京都では住宅扶助で敷金礼金は出なかったらしい

うちらのあたりは普通に出る(引越費用も出る)のでびっくり。


☆前のエントリーで書いた福祉系団体の施設は、「第二種社会福祉事業」の宿泊所である。簡易宿所で保護を需給することもある。

生活保護が受けられる、ということは、ここでも「住所」にできるんだろうな。簡易宿所の方は知ってたけど、無料低額宿泊所はしらなかった。不勉強だった。


しかし、住民票はとれるけれども。
簡易宿所は旅館業で、無料低額宿泊所は社会福祉法だってことは。
借地借家法における借主のような強力な権利が、入居者にないってことですね。むーん。

今週のダイヤモンド 特集「貧困」の中に。
生活保護者に住居を提供するNPOの話が出てきました。
美談ではありません。

家賃が扶助額上限に合わせて設定され、その割に1人あたりのスペースは3畳程度、食事はでる(ごく簡単な味噌汁とかカップめんとか)。
そして支給される生活保護は家賃・食事代・管理費などをNPOに払うと、手取りは3万円、という記事でした。告発調の記事ですね。

3万円で自立ができるか?
地域性が大きいのでコメントは避けますが、記事中の記載通りの住居であるなら、NPOの取り分は大きすぎるようには思います。


自分の商売上腹立たしいのは、このNPO施設への入居を保護係が勧めた点にあります。
なぜ一般賃貸を紹介しない?
家賃に限っていえば、同じ家賃(住宅扶助上限)で遥かに優良な住宅になるケースが多いはず。そして低所得者向け物件では、「生活保護受給者はむしろ歓迎」な物件も多いのです家賃分の収入は保証されていますから。
特定の事業者の利便を図るのはまずい、でも福祉系のNPOなら紹介できる、というのはなにかおかしい。
ボランティアでない事業者でも普通にビジネスとして役にたてるケースは多く、むしろそのほうが互いに健全であると思います。
それがまた利権を生むんだ、と言われれば一言もありませんが、福祉系のNPOだって利権になるんだから、言いだしたらきりがない。どちらかといえば建前だけでも開かれている方が自浄が期待できるのではないでしょうか。


ただ、住所不定で住民票どこにあるのかもわからない。身元の証明ができない。
これは一般賃貸での受け入れは難しいのが正直なところです。
不動産屋たちのココだけの話に関連する話がありますのでお読みください。
しかし、それこそ行政が職権でできれば、かなりの手間が軽減されるはず。
この部分がクリアできれば、地場の不動産屋と家主のタッグでかなりの住宅が提供できるのです。


去年暮れのエントリーで書いた就職安定資金融資ですが、一部大手業者はキャンペーンをはって定期借家での受け入れをうたっています
われわれ一般家主の場合も、この制度を利用しての契約となると、定期借家という選択になると思います。
しかしこの雇用情勢からいくと、全員が6ヶ月後の就職を達成できるかは心許なく、万一の場合には追い出しにかからざるを得ないことを考えると、「応援キャンペーン」などと軽々しくうたう気にはなれないのです。しかもこの制度、給付ではなくて貸付ですから、借金になっちゃうわけで。
個別に相談があったときには、できる範囲で協力したいとは思いますが。
全部外注してて機械的に追い出していける仕組みが確立してればキャンペーンできるかもしれません。確立したいとはあまり思いませんが……。
「応援したい」も「滞納者出てけ」も本音ですが、それはそれこれはこれ、と割り切って両方の対応を自分で直接差配するのはかなりストレスです。


最近多くの大手検索サイトで「初期費用の目安」が表示されるようになりました。初期費用を減らしたい、という需要に応え、借り手市場の賃貸市場で契約を勝ち取るために、敷礼ゼロ物件も増えています。
消費者保護団体が望んでいる、賃貸費用の家賃一本化は大義名分よりも市場の要求によって実現しようとしているかに見えます。

しかし、使用の対価を家賃に収斂させるのは私の感覚にはそぐわないわけで。
そのあたりの話はまたも遅れている今月の本家サイト更新記事ででもしようかと思います。


上記記事のNPOや居住系の貧困ビジネスについては、追記欄参照。

以下、「南山大学社会倫理研究所 2006年度第5回懇話会 ■講師 湯浅誠先生■」より抜粋



私に相談した人が言ったことで忘れられないのは、47歳の人が20年間の自分を振り返って、自分が仕事を選んできたときの最優先条件は寮と食事がついていることだと言ったんです。彼は時給や日給が幾らとか、正規雇用か非正規雇用かなんかどうでもよかった。住む所がない、食事がないわけだから、まず寮と食事がついている所こそ彼にとって必要な職場だった。そういうところで基本的な労働基準法が守られるわけがない。とにかく、そういうことです。ところが、金融や労働だけではないのでそういうのを幾つか紹介したいと思います。全部は話しきれないので、居住の話をします。

これは、フリーター向けの飯場と私は言っていますが、レストボックスという所です。要するに、定まった住所を持たないフリーターに安く泊まれますよと呼びかけている宿泊所です。これは3年か4年前にできて、あっという間にこれだけ広がりました。山手線全線ほぼ東京都内にあります。これは今後全国化していくと、私はみています。

漫画喫茶に泊まったことがある人がいるかもしれませんが、いないかな、夜間パックで9時間1500円とかと安いんですが、シートが完全にフラットにならない。私も終電をのがして何度か寝ましたが、ちょっと寝た気がしないんです。最近の漫画喫茶は進化していますから、シャワーもついているし、中で軽食も食べられる。要するに、そういう住む人を当て込んでいるつくりになってきているんですが、それでも十分ではない。そういうところに、レストボックスは二段ベッドで10人部屋だけど1泊1500円で泊まれますよ、泊まる場所のないあなたには朗報ですよということで打ち出した。

ここは仕事も紹介します。もともとは建設現場の雑務を提供している会社がバックについてつくった事業です。住みかと職場が一体になったこのシステムは、建設労働現場では古くから飯場システムと言われて、日雇いの人たちの不安定な状態を象徴する言葉でした。それと同じシステムをフリーターに朗報だといってやっている。これはマスコミもかなり好意的に取り上げています。ちなみに、この社長は自分自身が2年間車中生活をやっていたホームレス経験のある人です。前橋さんという人ですが、今度自伝を出しました。『ぼく、路上系社長—ホームレスからでも立ち直れるから大丈夫!』というタイトルです。私も一度会ったことがありますが、髪の毛がさらさらでサーファーを目指していたという人です。これは典型的な貧困ビジネスですが、そうは受け止められないんです。

これはさっきちらっと話したレオパレス21の話です。レオパレス21に入る人は賃貸借契約ではありません。あれは普通のアパートやマンションではなくて、レオパレスの会員契約です。どういうことかというと、レオパレスがあなたと結んでいるのは賃貸者契約ではないので、借地借家法には縛られませんというわけです。だから、1カ月でも滞納したら追い出しますと、ちゃんと会員規定に書いてある。

なぜそのようになるかというと、いまは投資マンションバブル、ちょっと落ちついたといわれていますが、80年代のバブルのときの地上げと違うのは、土地を転がすことによって利益を得るわけではない。上物を建てて、そのマンションに人が入って、この賃料を利回りとして不動産投資の対象になっているわけです。それであれだけREITとかお金を集められるんです。つまり、入居率が命です。

これはレオパレスの事業報告書ですが、「賃貸あってのアパート経営」と書いてあります。そういう考えです。どういうことか。いままでのように礼金、敷金で高いハードルを設けて確実な人しか入れないのでは入居率が確保できない。だから、敷居を下げる。礼金、敷金、保証人不要だといって、貧困者でもアクセスできるようなシステムにするわけです。しかし、そうなれば当然滞納リスクは上がる。だから、一方でいかに追い出しやすくするかということを考えなければいけない。それで、ああいう契約にするわけです。

保証人ビジネスも同じです。いま連帯保証人になるという家賃保証をするビジネスがたくさん出てきましたが、あれが一番訴えているのはオーナーや投資家です。つまり、我々がついていれば本人が出るまで責任を持って保証しますというわけです。フォーシーズという会社があって、不動産業界では「滞納保証事業で健全成長!! 回収業務に独自のノウハウ」といってベンチャービジネスとして取り上げられている会社です。フォーシーズが立て替えていた金額は、平成18年で12億円を超えました。12億円を超える立て替えをやってなぜこの会社はもつのか。それ以上の収入があるからです。なぜそれ以上の収入があるのか。賃借人が滞納すると彼らは3日以内に立て替え払いをします。そうして、その立て替え払いした金に年40.004%の利息をつけて本人に請求します。しかも彼らは保証の代行だといいながら、実は入居する人の親とかに保証人をつけさせます。そして、そこにも40.004%をつける。つまり、サラ金業者なんです。回収業務に独自のノウハウ、要するに取り立てがうまいということです。こういうビジネスが業界的には非常に注目されて、いまどんどん増えているわけです。

これは野宿者を対象にする貧困ビジネスです。宿泊所というのはいま全国で1万2000人の規模があります。その最大手がNPO法人エスエスエスというNPO法人です。このNPO法人は、都内を中心に約130カ所5000人の定員の施設を持っています。彼らはどうやって事業規模を拡大していったかというと、これはちょっとわかりにくいのですが、ホームレスの人の宿泊所というのは社会福祉法に基づいています。ところが、これは何の規制もありません。明治時代にお金を持っている篤志家が自宅を開放して貧民救済をした。それをちょっと裏づけるための規定なんです。それがそのままいままで使われてきているので、何の縛りもありません。彼らが頭が良かったのは、ここに目をつけたことです。

路上から人を連れてきて、6畳の部屋に3人とか4人入れる。そして、生活保護を取らせて、最高額の住宅扶助を請求するわけです。東京でいえば、生活保護の住宅扶助の上限は23区内で1人当たり5万3700円です。5万3700円というと一般のアパートも、風呂付きは借りられないけど、まあ借りられる。でも、それぐらいが精いっぱいです。でも、このシステムにすれば、ホームレスを連れてきて4人入れればその6畳一間の部屋から20万円の上がりが出るんです。こんないいビジネスはない。それで、彼らはどんどん路上から連れていって、どんどん儲けて、次のビルをどんどん競売で落としていって、あっという間に5000人規模の施設をつくってしまった。こういうのも貧困ビジネスだと思っています。ちなみに、愛知県は届け出ているのは1件しかありませんが、名古屋市には470人程度の規模の宿泊所があります。9割方はエスエスエスみたいな所だと思って間違いありません。

「さらに厳しい春」で養生テープだらけの集合ポストを紹介したが、うちでは空き部屋のポストへのテープ貼りはしていない。
あまりにもさびしいし、空き部屋が多いことがわかるとそれだけで内見のお客さんが引いてしまうからである。

おかげで空き部屋だろうがなんだろうが、遠慮会釈なく投函されるチラシの山と戦うはめになるのだが。

ファミリー向けの物件のチラシ整理に出向いたダンナがものすごく妙な顔をして戻ってきた。

空き部屋のポストに入っているのは、実はチラシだけではない。
転居手続きが十分でないと、メール便や郵便がつみあがっていることもある。
これらはだいたい、こちらから住民が引っ越したことを届け出る。
多いのは通販関係のDMやカタログ、役所からの通知——保険料等の督促やカード会社の封書。
そして個人が差出人の「親展」封書。これは借金の督促状だが、そんなものはごくありふれていて、いちいち妙な顔になったりはしないのである。


その妙な顔のダンナのいわく、

「空き部屋のポスト整理してたら、中から女性の下着が出てきた……>o<」

一同絶句。

「し、新品ですか……?」

うちの女性スタッフが戸惑いながら訊く。

「ぱっとめ汚くはなかったんで、ふつうに素手でつかんでゴミ袋にいれたけど……まさか物件の玄関前で広げてしげしげ見るわけにもいかんしな……」

そりゃそうだ。そして、包装してある明らかな新品でもなかったわけやね。

誰がなんのために入れたかしらんが、はたメイワクな。




ストライプと言えば赤白ストライプの楳図かずおさん。
ご自宅だけではなく、大阪に楳図かずおデザインの「まことちゃんハウス」な賃貸物件があったりする。

さて、この物件はそこまでアバンギャルドではないが、自転車置き場の屋根が青白ストライプ。
あまり見ない意外なデザインの割にインパクトが薄いのはオーナーさんのお人柄か。

2008 10 21_1960.JPG

1  2

管理人

ヨメに来たら賃貸住宅のお世話がくっついてきた! 大家の立場で賃貸裏話を発信中!

最近のコメント

Photo

  • 2008 10 21_1960.JPG
  • 2009 01 03_2861.JPG
  • 2009 01 03_2860.JPG
  • 2009 02 14_2921.JPG

このアーカイブについて

このページには、2009年3月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2009年2月です。

次のアーカイブは2009年4月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。