昭和4年借家証書(大阪)

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借家証書

大阪府○○郡○○町○○番地
一 木造何葺何建家屋 壱軒

右貴殿所有建物今般拙者に於て賃借致候。依て左記条項固く相守可申。若し違背仕候節は貴殿に於て随意御処分相成候共異議なく之に応ずべし

第壱条 貸借期間
但右期間内と雖も、拙者に止むを得ざる事由を生じたるとき、又は行政処分其他公の指令に依り右家屋の改造又は取払いを要する場合生じたるとき、及び家主に於て已むを得ざる事由のために右家屋の改造又は取払いを要する場合生じたるときは解除をなすことを得。其旨御通告を受けたるときを以て本件賃貸借は終了したるものとす。

第二条
家賃は壱ヶ月金何円也として毎月持参支払うものとす。

第三条
家主に課せらる公租公課の増加及び其他の場合により貴殿より家賃の増額請求を受けたるときは異議なく之を承諾す。

第四条
家屋の構造の変更其他造作物等の修繕改造等は貴殿の承諾なくして一切の変更造作をなさざるものとす。若し拙者において勝手に造作をなしたるときは何時にても拙者の負担を以て貴殿の指示により原状に回復するものとす。

第五条
拙者は貴殿の承諾なくして本件賃借権を他人に譲渡し、又は右建物を他人に転貸し、他人を同居せしめ、若しくは他人をして代住せしめざるものとす。

第六条
拙者に於て第二条の家賃の支払を毎月怠りたるときは、貴殿に於て直ちに契約を解除せらるるも異議を述べざること。

第七条
拙者に於て第三条の請求を承諾せず、第四条の同意を得ずして造作をなし、第五条の承諾を得ずして同条の行為をなしたる場合に、貴殿より直ちに契約を解除せらるるも異議を述べざること。

第八条
契約期間の満了、若しくは契約の解除により、賃貸借が終了したるときは、拙者は直ちに貴殿に家屋を明渡すものとす。
前項の場合に於ては、必ず貴殿の立会を求め、造作附物等の点検を受くるものとす。

第九条
右家屋が火災其他の天災により、大破又は滅失したるときは、拙者貴殿に対し異議なく速かに他に転宅することを確約す。

第十条
保証人は連帯して賃貸人に対し本契約の義務履行をなすことを確約す。

為後日家屋賃貸借契約証如件

昭和○○年○○月○○日

大阪府○○郡○○町○○番地  何某 印
大阪府○○郡○○町○○番地  引受人 何某 印


昭和4年の借家証書ひな形。大阪のものです。
差し入れ形式の契約書で、一部に候文も残っていますが、だいぶ現行の契約内容に近づいてきました。

退去立会を定めていることに注目です。

大阪の契約ですが、敷金・敷引きともに規定条項が見当たりません。
ただ、1901年大阪法令館のひな形では別途「敷金預かり証」がありますので、敷金授受の習慣はあったようです。敷引はないような感じ。

うちに実際にこのひな形を使用した契約書がありますが、賃料は20円でした。広さがわからないので、ぴんときませんが。

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このページは、が2009年2月10日 22:22に書いたブログ記事です。

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