伏見SSシリーズ 朝鮮の梅 その2

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 ちんまりと染付けの鉢に挿された梅には、枝一つなく――いや、一本の枝を挿してあるだけ。小さな葉がそこからしょぼりと出ている。挿し木なのだから当たり前といえばそうなのだが、あまりに頼りなく成実には見える。
 政宗は、といえばこの鉢を閑所に置いて毎日愛でているとのこと。登城している間に、小姓たちが水を遣り、日をあて、丹精している。高麗で見た日のように、見事な花を咲かせる様子を想像するだに楽しいのだそうだ。
 成実は自分の心配を口に出した。
「そのように愛でる気持ちはよくわかるが、枯れるということはなかろうか」
「大丈夫だ」
と政宗は自信たっぷりに言う。
「わが伊達家の庭師は優秀だからな」
 自慢げに言った政宗は、成実を手招き、裏庭へ伴った。
 そこに並んだ鉢を見て、成実は呆然とした。
 二十本はあるだろうか。素焼きの鉢に挿された、梅、梅、梅……。
「これだけあれば幾つか育つだろう」
 政宗はあっさりとそう言った。
 これだけ枝を落されては、元の古木はどうなったのだろう。成実はそっと息を落した。

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このページは、が2004年12月18日 22:17に書いたブログ記事です。

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