支払能力のない入居希望者

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O家さんの元に管理会社からFAXが届きました。O家さんは管理会社にほぼこの物件をまかせていますが、入居の書類審査だけはいつも自分でしています。このFAXは仲介業者から送られてきた入居申込書です。

 今回申し込みがあったのはマルシェ北坂。ファミリー向け物件です。
 申込書の家族構成と申込者の年収を見ます。申込者は母子家庭。年収の欄には、「現在求職中」とあります。
 収入がなければ家賃を払えません。
 O家さんは電話を取りました。断りの電話です。


 今度は電話が鳴りました。
「O家さん、F本です。さいぜんの母子家庭の方、どうしてもっていってるんですが……。今私、貯金通帳のコピーまで見せられましたよ。保証人さんは叔父さんらしいですが、しっかりした人だからって」
「でも、ちっちゃい子3人抱えて、無職でしょう。月に10万円もどうやって払うの」
「当座は貯金、で、叔父さんも援助してるらしいです」
「叔父さんだってこの景気だ、大変だろうに。何してる人? 申込書の年収は確かにそこそこあるけど」
「田舎の造り酒屋らしいですよ」
「……自営かあ……。やっぱりしんどいよ、これ。叔父さんなら契約できるけれど」
「わかりました。もう一度そう伝えます」

さて、3度目の正直、いや、2度あることは3度ある。
また管理会社から電話とFAXです。
「なに、この申込書!?」
O家さんは思わず大声を出しました。驚いて後の言葉が続きません。
そこには契約者=叔父さん、入居者=母子4人、連帯保証人=叔父さんの弟と記されていました。
「いや~、粘られまして」
「本当に、叔父さんならといったんだな(>_<)」
「すみません(^^; でもここまでうちの物件お気に召されているんですからなんとかなりませんか?」
「…………」
「あのぅ、」
「…………。2年の定期借家だよ」
「ありがとうございます!」
「あと、支払いは現金書留にしてもらって」
「え、なんでですか?」
ちょっとF本さんは嫌そうです。領収書にはる印紙はかかるし、事務も手間です。銀行振込にしましょうよ、と小さくつぶやきました。
「あのなぁ、F本さん。銀行振込だと入居者が簡単に契約者の名前でできるでしょうが。うちは叔父さんに貸すんだよ。名義貸しは困るの。書留だと田舎の消印でわかるでしょ」
「……ごもっともです」

と、いうわけで変った形の契約になりました。2年後に入居者の経済状態を見て、今度はきちんと契約者になってもらうか、はたまた再契約か、退去かを考えることと相成りました。

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このページは、が2003年11月 1日 00:15に書いたブログ記事です。

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